センター大学 国際文化学科4年 上京田ちえ莉 <2号 2021年11~12月>

はじめに

 明けましておめでとうございます。アメリカに来て5か月。秋学期が終わり、私の留学生活も半分が過ぎたのかと思うと、時の流れが早すぎて驚いてしまいます。今回の留学体験談では、10月以降に受けた2回のテスト、冬休み、それらの出来事について私が感じたことについて書いていこうと思います。主な内容は以下の3点です。

1. Kentucky weatherについて
2. 2回のテストについて
3. 冬休みについて

1.Kentucky weatherについて

 Kentucky Weatherとは、「Kentucky州で見られる、日によって気温が上下すること」です。アメリカに来てから、Kentucky Weatherに毎日悩まされてます。


写真1 11月15日の週間天気(気温に注目)

 気温のところを見ていただければ分かると思うのですが、一週間のうちに、5度を下回る日もあれば、20度近くの春のような日もあります。だから、風邪を引かないように、毎日、気温を調べて、着るものを選ぶ必要があります。10月、11月で20度を上回るときは、スウェットの中に半袖シャツを着たり、逆に10度を下回る寒い日に外を歩くときは、長袖シャツ+スウェット+コート+マフラー+手袋という、雪だるまみたいな服装をしたりしています。日本にいるときは、気温を毎日確認することはあまりなかったので、新鮮です。

2.テストについて

 10月中旬にMid-Term Test、12月の頭にFinal examinationがありました。
 Mid-Term Testでは、Education(EDU127)とActing(THR117) のクラスでテストがありました。
 Educationのクラスでは、秋学期前半で習ったことを多肢選択式と記述式のテストで確認しました。授業中に使ったパワーポイントを見直して準備しました。記述式の部分がすべて手書きだったので特に苦戦しました。私は普段、ブロック字体でアルファベットを書いているので、長い英文を書くときは、筆記体の方が便利だと感じました。Actingの授業では、授業中に習った専門用語の説明と授業中に扱った作品の分析が主な内容でした。専門用語の解説は、自分で何度か書いて、ポイントを抑えました。このテストの中で、専門用語の解説とは別に、Blocking Symbolという台本に書かれる指示記号も出されることになっていました。しかし、専門用語の勉強に手一杯だったことと、授業中にあまり大きく触れられなかったことから、準備を疎かにしてしまいました。ただ覚えるだけだったので、指示記号についてもきちんと勉強しておけば、もっと良い点数がとれたのにと後悔しています。


写真2 Mid Termテストのときに作った暗記シート

Poetry Writingの授業では、これまでに書いた詩を提出しました。
Musicのクラスでは、Mid Termにはテストも提出物もなかったです。

Final Examinationのテスト内容は次のとおりです。
・Education(EDU127)→Home-Taking Test(家で受けるテスト)
・Acting(THR117)→Final Scene(2人組で実際に演技をする)
・Music(MUS110)→Final Project(自分で一曲作曲する)
・Poetry Writing(CRW140)→ポートフォリオ(これまで書いた詩を書き直して一つにまとめたもの)を提出

 EducationのHome-Taking Testは、家で受けるテストなので、どんな資料を使用してもよいテストです。(インターネット上の論文など)200~250語で書くShort Answer Questionが2つと450~500語で書くShort Essay Question2つに答えました。どちらも記述式で、自分の経験やデータに基づいて書かなければならないので、時間がかかりました。テスト前に自分が書こうと思っていたことについて教授と話した際、教授の質問の意図と違っていたため、もう一度自分の回答を考え直したりしたので早めに準備し始めましたが、結局、提出日の当日までエッセイを書いていました。さらに、締め切りの20分前に単語のミスが見つかり、それを修正してから提出したので、締め切りの8分前くらいに提出しました。
 ActingのFinal Sceneは今回最も苦戦しました。今までは一人で短いシーンを演じたり、演技経験のあるパートナーと短いシーンを演じたりしていたので、負担が軽かったのですが、今回は一から自分たちで演技プランや舞台の使い方などを考えなければなりませんでした。監督、演出、俳優、小道具など、舞台を作るために必要な仕事をすべて経験しました。本番までに、パートナーと練習し、演技プランについて話し合い、教授とのリハーサルを何度かしました。他のテストや自分の体調との兼ね合いもあって、うまく練習時間が取れず、不安を抱えたまま本番を迎えました。自分たちの演技の後に、クラスメイト達が褒めてくれたので、とても嬉しかったです。
 MusicのFinal Projectは、これまで習った楽譜の決まりやコードを使って一曲作曲しました。先にコード(和音)を考えてから、メロディーを作るという手順で曲を作ったので、制約が多く、とても難しかったです。ピアノで弾くための曲を作ったのですが、コードとメロディーを考えるのに精一杯で、楽譜通りに弾こうとすると弾きにくい部分もありました。改めて、自分が今まで出会ってきた作曲家たちの偉大さに気づかされました。 Poetry Writingのポートフォリオは、これまでのクラス内でのディスカッションや、他のクラスメイトが書いた詩を参考にして、自分の詩を書き直して提出しました。特に私は、Blank Verseという1行に10音節ある詩とPantoumという特定の行を繰り返す詩の修正に時間がかかりました。最後の授業では、それぞれが自分で書いた詩を4つずつ発表しました。
 アメリカでの秋学期を終えて、最初の頃は聞いて理解するのに精一杯だったディスカッションも少しずつ自分の意見が言えるようになったり、自分から教授やクラスメイトとコミュニケーションがとれるようになっていたりと成長を感じました。私がアメリカに来るまでにしておいてよかったなと思うのは、「大学生として自分なりの勉強方法を持っておくこと」です。英語で学ぶため、日本で学んでいるときのやり方が通用しないこともありますが、レポートを書くときの情報収集の手順や、ブレインストーミングの仕方など、自分なりの方法を持っておくと、少し楽になると思います。英語でアウトプットするための準備ももちろんですが、出された課題を高いレベルでこなし、独自の方法を身に付けておくことも、課題が多く出されるアメリカの大学でうまくやっていくためには必要なことだと感じました。


写真3 Final Examinationの時期は図書館が午前2時まで開いています。

3.冬休み

 12月25日~1月1日まで、和田さんとNYに旅行に行きました。11月の中旬くらいから、ホテルと飛行機の予約、日程を考えるなどの準備をしていました。NYでは、一週間ほどの滞在の間に様々な場所を巡りました。ブロードウェイでミュージカル「オペラ座の怪人」を観たときは、有名な音楽を聴けて、本場のミュージカルを英語で観ることができて興奮しました。この日、主人公のクリスティーヌを演じた女優の方がAfrican Americanの方だったので、以前、耳にしていたブロードウェイやハリウッドなどで進む人種の多様性を尊重したエンターテイメントに触れることができました。


写真4 ブロードウェイの劇場の前で和田さんと

 他にも、廃線を再利用した空中公園「The High Line」や9.11同時多発テロのメモリアルミュージアム、NYメトロポリタン美術館などに行きました。教科書で見ていたものを実際に目にすることができて、とても貴重な旅になりました。NY旅行中は地下鉄やバスを利用して移動しました。NYに到着して空港からホテルに移動するまでに、正しいと思って乗っていたバスが間違っていたり、各駅停車だと思って乗った地下鉄が途中で特急列車になって自分たちの目的地の駅を通りすぎてしまったりするなどのハプニングもありました。しかし、初日にたくさん怖い思いをしたおかげで、それ以降の移動時には、きちんと確認してからバスや電車に乗るようになりました。この旅をしながら、「分からないことは躊躇せずに知っていそうな人に聞く」ことができるようになりました。今までは、自分の英語力に自信がなかったため、まずは自分で調べるなどしてどうにもならないときは人に聞いていました。今回の旅で、親切な人にたくさん出会ったおかげで、自分のわからないことを整理して相手に聞けるようになった気がします。


図5 The High Lineで


写真6 NYメトロポリタン美術館

4.まとめ

 年が明けて、4日からはすぐにCentre Termという集中講義が始まりました。今回履修しているのが、「ENG237 The south in Literature, Music, and Film(アメリカ南部の文学、音楽、映画)」という授業で、アメリカ南部の歴史について基礎知識が足りず、苦労することも多いです。しかし、自分の好きなエンターテイメントに関する分野を通して、歴史を考えているので、教科書で学ぶ歴史ではなく、より人々の生活に根付いた歴史を学ぶことができるのではないかと思っています。
 2月からは春学期も始まりますが、秋学期よりも授業内での発言回数を増やして、学びを深めるとともに、コロナに気をつけながら精力的に様々な活動に参加していきたいと考えています。春学期もたくさんの友人を作って、英語を話す時間を大切にしていきたいです。